セブンイレブンの銀しゃり塩むすびを美味しく頬張りながらとゲームブックのゲームデザインを考える
セブンイレブンと聞いてあなたは何を思い浮かべますか?
日本における最強の小売集団であるとか、とにかく便利だよなとか、よく利用しているよ、といった印象でしょう。
そして「弁当やおにぎりが旨いッ!」と多くの方が絶賛している事と思います。
その数ある弁当やおにぎりの中でどれが一番おいしさのコスパが高いか? と聞かれてあなたなら何と答えますか?
筆者は間違いなくこれを推します。
そうです。銀しゃり塩むすびです。
食べたことがない方は「何だよ、具は入っていないし、海苔ですらついていないじゃん。そんなの旨いのか?」
と訝しく思うことでしょう。筆者もそうでした。
でもある時男子学生が「これめっちゃ旨いよ」と友人に勧めており
その友人も「マジぃ?」と半信半疑で手にしていました。
筆者はその会話を盗み聞きして、試しに食べてみたら目を疑いました。
いや、舌を疑ったというべきか?
その学生の推薦は全くもって正しいと思いました。
驚いたんですよね。感動したとも言えます。
その事とゲームブックについて書いてみたいと思います。
どう関係あるんだよ?
と言う突っ込みもあると思いますが、まあまあお座り下さい。
まず銀しゃり塩むすびについてなんですが、食材は見ての通り米と塩です。あと良く見ると「酢」を使っているようです。
これだけで果たして例えコンビニ弁当でもうるさい日本人の舌を満足させられるのか?
セブンの開発チームは卓越してますね。良い米と塩、そしてお酢を使い、米の柔らかさや炊き加減、モチモチ感や食感をすべて考慮に入れ、塩とお酢の絶妙なバランスを非情に高いレベルで調整し、噛むと「甘い」と思えるほど素晴らしい味覚に仕上がっているのです。
ま、言葉で言っても伝えられませんので、ぜひ食べてみてください。100円位ですよ。
「米は噛んでいると甘くなる」と言うことを一番実感できる食品じゃないかなあとさえ思えます。
多分、おにぎりに必要な要素だけを絞り込む、不要なもの(海苔でさえも)を全て省いた事で、ごまかしが全く利かないので必然的に全力を尽くす形になるのでしょう。
結果的におにぎり、果ては米そのものの美味しさを最大限に引き出すことに成功していると思わずにはいられません。
これはデザインなんですよ。
デザインって見栄えがいいとか洗練されたものって言うイメージが有るんでしょうが、そうではなくて消費者がいかに対象物を上手く受け入れられるようにするかなんですよね。
ユーザー視点というか、お客様の立場に立っているかどうかと言う意味では音楽やイラストや動画やゲーム、商品を作る人や販売する人あらゆる人にとって共通で一番に考えなければいけない事なんです。
やや乱暴に言えば「デザインすることはお客様のために行動すること」といえるんじゃないでしょうか。
セブンの銀しゃりむすびはそれが端的に現れている一番身近な例かな、と思います。
はい、ではここで筆者の専門ゲームブックに目を向けてみます。
一番シンプルと言えるゲームブックとは何か?
それは先日TVアニメ銀魂゜で「日記がまるでゲームブック」と言うネタが放映され、それを見ていたツイッタラー反応が結構あり、盛り上がっていたんですね。
そこで筆者も見てみたら、その日記というものは
もしかして今の子にゲームブックって伝わらないんじゃないかと #gintama pic.twitter.com/HucZyXKFHc
— mg1 (@mg1live) 2015, 8月 26
状況説明があり、読者に選択肢を選ばせて次のパラグラフ移動を促しています。
それだけでした。
それで多くのツイッタラーが「それ、ゲームブックだ!」とツイートしました。
サイコロ、アドベンチャーシート 、謎解き、迷路、クイズ、パズルなどの要素はありません。
つまり、これがゲームブックの一番シンプルなデザインなんですね。
これ以上削ぐことができないと言うところまで不要なものを一切省いたものがそれなのです。
言葉というものは多くの方のコンセンサスが取れれば、それが定義としてみなして良いと思います。
ゲームブックの銀シャリ塩むすびは「読者に選択肢を選ばせて物語進行を促すゲーム」というところでしょうか。
その具体例に筆者はこの作品を挙げたいですね。
Google Play版もあったと思います。
これは選択肢は二択なんですよ。
それでも世界観や面白さが半端無く、筆者も大変面白いと思いますし、プレイした方々のレビューも高評価です。
有料とは言ってもたったの240円120円ですよ?
面白さのコスパの高さ半端ないです。
筆者のレビューはこちら
ぜひプレイしてみてください。
こう言う作品が出てきてくれれば「ゲームブックはオワコン」と言う絶望に打ちひしがれなくてもいいんだなあと勇気づけられます。
同時に、「負けないような力作を輩出しなくては」とも思います。
以上、銀魂の作者空知英秋先生の出身地、北海道からでした。