ここ2,3日のことですが、ゲームブックに関するあるニュースがネットを賑わせました。
このエントリ執筆時点でブクマ246です。1000回以上ツイートされているし、他のネットニュースでもいろいろ取り上げられています。
ニュースの骨子としては1985年に出版されたゲームブック
こちらの表紙がこんなダークファンタジーの世界観だったのに
2008年に日本で復刻版として出版された時、表紙が異常に萌え化していて原作者ががっかり、と言う内容です。

- 作者: イアン・リビングストン,空中幼彩,あっと
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 84回
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危険な場所を散策するのに不適切な防具と装備。
これに対して『最近の日本じゃこっちのほう(エロっぽいの)が好まれる』と言う意見が出ると
But Deathtrap Dungeon is hardly an erotic book! https://t.co/A0O7IKPoSV
— Ian Livingstone (@ian_livingstone) 2015, 6月 16
『原作はエロ本じゃねーよ!』と(某春菜さんのように)突っ込むツイートも見られました。
For all Japanese Fighting Fantasy Fans, here is the first UK edition of Deathtrap Dungeon published in 1984 by Puffin pic.twitter.com/4e0DQrPC4k
— Ian Livingstone (@ian_livingstone) 2015, 6月 19
さらに見ていると『日本のファイティング・ファンタジーファンの皆さん、これがイギリス版です』と日本復刻版の過ちを正すかのような一幕も。
いやあこの騒動に関して筆者が思った事……。
書いていいでしょうかね? お叱りを覚悟で言うと凄く嬉しいですけどね。
まず、これだけネットニュースで取り上げてくれることが嬉しいですね。「ゲームブックはオワコン」と言われるような状況で、愛好家として危機感を感じ、世の中にゲームブックと言うジャンルを確立させるためにゲームブック投稿サイトを立ち上げた身としては、話題になることだけでも(良くも悪くも)大変にありがたいことです。
ゲームブック? そんなのあったんだ、と。
多くの方に注目してもらえるいい機会なのではないでしょうか。
また、萌え萌えの復刻版が出たのは2008年。ちょうどその頃はスマッシュヒットと言える「リアル脱出ゲームブック」も「都会のトム&ソーヤ ゲーム・ブック」も出版されていない時期です。
ファイティング・ファンタジーシリーズやドルアーガシリーズの復刻版がほそぼそと出るのがやっとと言うような状況でゲームブックと言うジャンルが再生する模索時期だったと思うんですよね。
今から思えば、復刻版ってこんな感じでやればよかったんでないの、とか
↓最初に出たバージョン

火吹山の魔法使い ファイティング・ファンタジー (現代教養文庫)
- 作者: スティーブ・ジャクソン,イアン・リビングストン,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1984/12
- メディア: 文庫
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↓復刻版(めちゃめちゃカッコイイ)

ファイティング・ファンタジー「火吹山の魔法使い」 (〈ファイティング・ファンタジー〉シリーズ)
- 作者: スティーブ・ジャクソン,イアン・リビングストン,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2005/03/26
- メディア: 文庫
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変なアレンジを施すくらいなら 、これみたいに一から作りなおした方がいいんでないとか

人狼村からの脱出 狼を見つけないと、殺される (脱出ゲームブック)
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2012/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いろいろ意見があると思うのですが、それが言えるのは

- 作者: イアン・リビングストン,空中幼彩,あっと
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
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↑これがあったからだと思うんですよね。
それは、変えているからです。
変化こそ進歩なんですよ。ちきりんさんの言うとおり。
詳細はちきりんさんのブログを読んでいただくとして、ポイントはこれ。
自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということだ。もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。
ゲームブックは変化することを恐れたからオワコン化したんです。
そうとしか言いようがない。変わらなきゃダメですよ。
ゲームブックが出始めた頃から今にかけての変化。
ベルリンの壁は崩れ、ソ連邦は崩壊し、バブルも崩壊し、インターネットが普及し、電話やパソコンがスマホになったんですから。
世の中これだけ変わっているんです。当然ゲームブックも変わらなきゃダメです。
いいか悪いかなんてやってみて初めて分かることなんです。
それは戦いと言ってもいいでしょう。
子供達に向けた 「ファイト!」 中島みゆき - YouTube
まあ、こういうことなんだと思いますね。
なので筆者は萌えイラストで、登場人物を一部女性化させたと言う出版社の取り組み自体は『ゲームブック復活への貢献』に思えて仕方ないので大変評価し、感謝したいと思っています。
リビングストンさんの意見もわかりますが、何年もたった事を今更言及することかなあと思いますし、未承諾で日本の出版社は発行に踏み切ったのでしょうかね?
そう言う議論には発展していないから、話題沸騰をあえて狙っているんでしょうかね?
だとしたらマーケティングの天才ですね。
筆者は思わずAmazonでポチしちゃいましたよ。しかもいま品切れしていていつ入手できるかわからない状態です。

- 作者: イアン・リビングストン,空中幼彩,あっと
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
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ともかくも実物を読んでみないことには批評が出来ないいので、入手できたらまたブログを書きたいと思います。
以上、北海道からでした。
2015年6月25日追記
Amazonポチしましたが、品切れと言う状態だったので、出版社にいつ頃入手できるか問い合わせてみました。そして本日正式に出版社から返答が来ました。

- 作者: イアン・リビングストン,空中幼彩,あっと
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
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上記バージョンの「デストラップ・ダンジョン」は品切れしており、今後再生産等の予定はないそうです。
残念……。電子書籍ならそんなことはありえないのに。
今となってはオークションサイトやブックオフ等で入手するしかなさそうです。